自働二輪的生活

「メカニックの呟き!」

第二次大戦中のサイドカーを思う時、現在ロシアのウラル、ウクライナのドニエプルと中国の長江サイドカーはこれに勝る雰囲気のものはない様に思えます。
さて、手に入れようとするとオークションで落札するか、個人売買か、お店で買うかしかありません。

実は オークションで一台手に入れてレストアしてジャーマングレーに塗装し、オークションに出品し 納車したのですが、文字で書くほど簡単なことではなっかたのです。
その事実をこれを機会に書き出してみたいと思います。 


某オークションでサイドカーを落札したのは夏の前。
「エンジンはいい調子だよ。」の言葉。
はじめは 片肺になってはいたけれど、「スッパ、スッパ、タタタ」と車庫のなかではいい音出してました。
入庫した時は、まっ黒である意味ジジイ臭い、ある意味クラッシックでイイ雰囲気でした。それより、なににつけても安かったのです。

一通りサビを落としてレストア。
いろいろ調整して、ならばジャーマングレーにしたらどうか?。
再び分解して再塗装してみた。
オオオー!。まっるきしドイツ軍サイドカーではないですか。
これで走れば東ロシア戦線、シベリア平原だーー」。
もっとも私、そんなところ行ったこともありませんが!。とにかくイメージと雰囲気は大事なものです。



エンジン、ブレーキ、車体、ヨシ!。
このままではもったいないからオークションに出してみよう!。
そうしたら、ナントすぐに落札されてしまいました。
さあ大変、車検を受けなくてはなりません。検査に合格?不合格?。
どちらにしても受け渡しの日程が決まってしまった。
仮ナンバーを取って、検査の予約を入れて、イザ出発。
ところがである、なにかオカシイ。走り始めて
10分ぐらいしたら、「ドドド、バス。ドド、スス」。
それでも
90km/hぐらい出る。
車庫での試運転はグーだったのに、それから
20分ぐらいだましながら走っていたら、突然! ガキーンと言う音とともにものすごい煙を噴出しガクッとストップしてしまいました。
原因はピストンに大きな穴があいてしっまったのでした。
「どうしよう?」車検の予約時間はせまってくるし、ニッチもサッチも動かないし、結局のところ全てパーとなってしまいました。                        

結論から言うと、オークション等の個人売買には当然のこと車両整備は含まれていません。
いくら「調子イイよ!」と言われても 始めっから全部を見直さないとダメのようです。
もしも 自分ですべてを再調整できないのならば 結局、お店で買う方が安くなることがあります。
車庫のなかでのエンジン試運転と実走行とではとんでもない違いがあるのです。
私の失敗は 車庫でのエンジンの試運転が調子よっかたことを信じすぎた結果なのでしょう。オークションが悪い訳でもなんでもないのです。


ところで、ジャーマングレーのサイドカーは落札した人に渡さなくてはいけません。
メカを担当している者が エンジンをブローさせたなんて、これまた恥も恥で穴があったらはいりたいぐらいなんだが、世の中そんなに都合よく穴はありません。
アーア。どうしよう?。
仕方がないのでミスターX(ミスターXは みちのく旧車ミーティングの代表)に「すみませんでした。」と泣きついたのです。
ロシアのサイドカーのウソつき!


ミスターXと、私とで大会議の結果(たった二人の大会議?)、ミスターXが北海道に乗っていった同型のサイドカー(エンジン不調で修理中)、
でも車検が1年半以上残っている物にジャーマングレイ色の部品を全て移植して落札者の了解を得る方針を決定したのです。
とは言ってもこれまたダダッコサイドカーで 言うこと聞いてくれません。泣けてきましたヨ。あの時は!!。 


こうなったら単に意地のカタマリと化した私Oメカ、「とにかく納車までこぎついてやる。」とばかりに鬼の形相でサイドカーの整備をはじめました。
タンク、フェンダー、など全てを移植すると言ってもかなり手間がかかりました。それに加えてエンジン調整もですから何と言ったらいいのか?。やれやれ!!。


あっという間に秋がきて、走れば寒い頃となって、ようやく走れるサイドカーとなったと思いきや突然のストップ。
某道の駅で雨の中20時間過ごす事件が起こり、心も体もロシア製でズタズタ、私のアタマの配線からケムリが出そうでした。(煙?出る訳ないか!)
このときは サイドカー本車の配線が皮膜の内部で切断したり繋がったりしていたと言う信じたくない故障でした。

ミスターXの居城から私の自宅までは200kmあるので試運転で往復できれば、なんとか関東まで走れるだろう。
何と言っても関東に納車する相手の人が住んでいるのだから。
とにかく走ってみました。
400km、いつ止まるかわからないサイドカーで走るのは(やったことはないけれど)、たぶんロシアンルーレット(一発だけ回転式拳銃に弾を入れて自分の頭を撃つゲーム)並みに恐ろしいものです。
また故障すればレッカー車の恐怖、帰り着けるのだろうか?と言う不安、あまりイイものではありませんでしたヨ。本当に!。

壊れている物を売りたくない、ただそれだけでした。でも400km走り終えました。 



次は いよいよ関東までです。だいたい目的地までは600km、高速道なしで17−8時間の行程でした。
東北から400km南下すれば福島あたりまで行きます。
400kmは多少の自信が持てたのですが その先は未知数で、やはり不安との戦いでした。
さらに季節が11月末となってしまい夜間は考えてるより冷えるのです。
万一のことを考えて出発は昼12時で、到着予定は朝7時ころと想定しました。
国道4号線をひたすら南下、ただただ南下。
道中 頭の中は自分の整備方法を(信じたい自分)と(信じない自分)が言い争って疲労は倍増、排気ガスで顔はまっ黒。
2時間走って休憩の繰り返しで、まともにエンジンを止めたのが30分ぐらいしかなっかった。つまりほとんど回しつぱなし、無茶です。

オーバーヒートしていたけれど 走りきったのも事実です。
私が所有しているロシア製サイドカーのウラルは4万km走っています。
その間 東京へは4回いきましたが道中ではたいしたトラブルには遭っていません。
大当たりのウラルなのかは知りませんが、変だなと感じたときはすぐにチェクするように心がけています。いつもと違うエンジン音、いつもと違う走行感は 故障の前兆かもしれません。





結論。
何故安いのか?。何故高いのか?。
簡単に壊れる物に高価な物がこの世の中にあるのでしょうか?。
雰囲気は大切ですが、その雰囲気の代価に値するのか?。修理、調整はできるのか?。
手に入れたはいいが車庫の粗大ごみではあまりにも悲しくないですか?。
よく考えてからでも遅くないと思います。(粗大ごみ)ではなく(壮大な楽しみ)に変えていこうとは思いませんか?。
ほんのチョットの整備点検の積み重ねが不動車を減らすことに繋がると思います。


(2010年12月29日)

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